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残された者 (薔薇と姫君 エピローグ) [創作童話]

残された者 (薔薇と姫君 エピローグ)

消えてしまった姫君と北の若者のことは、
不思議なことに、人々の頭からきれいに消えてしまいました。
ただ、無口は王子様だけは、かわいらしい姫君の面影をわすれませんでした。
王子様は姫君があまりにかわいらしくて、まぶしくて、
ろくにお話もできなかったのですが、
姫君が大好きでした。
何処に行ってしまったのだろう?
でも、だれに聞いても、わからない。
夢だったのかな。

お城では王子様のお妃さまを選ばなくては、と
みんながいろんな国のお姫様の肖像画を集めてきました。
その中に、一枚、いなくなった姫君にそっくりの、
薔薇を持ったお姫さまの肖像画がありました。

王子様は心を決まました。
私はこの方とでなければ、結婚しない。

やがて大好きな薔薇の花と共に嫁いできたお姫様は、
確かに、いなくなった姫君に似ていました。
王子様は恥ずかしくてお話もできなかった昔より、
少し大人になっていました。
遠くから来た独りぼっちのお姫さまに、
何かと話しかけて、笑顔をみたいとがんばりました。

ところで、そのお姫様は、ダンスや歌より、
実は機械いじりが大好きで、
王子様とはとても趣味があいました。
2人は一日中、あれこれ部品をいじっては、
実験を繰り返し、色々な発明が生まれました。
薔薇のマークの発明品は国の財政を助け、
人々の生活を豊かにしました。
2人はいつまでも、幸せに暮らしました。

めでたしめでたし。

         おわり


残された王子様が気の毒だと、いうご意見があったので、追加です。

ついでに、これなら、革命もおきないのにな、というのもあります。
(王子様のモデルはルイ16世です)


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コメント 2

sknys

素敵なエピローグですね。
気懸かりだった王子が幸せになって本当に良かった。
暴力と憎悪が連鎖する悲惨な現実世界から逃避して、
「薔薇と姫君」の国へ行きたいなぁ‥‥と想ったりして^^
by sknys (2017-02-03 00:44) 

ぶーけ

ありがとうございます。
いい国になってよかったです。^^
現実世界はなんか、きな臭いですね。><
by ぶーけ (2017-02-06 12:59) 

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