コクリコ坂から

試写会行ってきました。
ジブリ作品ではありますが、監督は宮崎吾朗氏。
才能って遺伝しないのね。
でも、今回は、この前の「ゲド戦記」より、１００倍はましでした。
比較対象が悪すぎるか。＾＾；

あらすじ・・・・・・

昭和３０年代、海の近くの某高校が舞台。

主人公「海」は船でなくなった父親を思い、毎日自宅で旗を上げるのが日課。
（旗を上げておくと、船が迷わず帰ってこられるのだそう。）
そんな海をみている少年がいました。

海の元病院だった自宅は今は下宿屋さん。
学者の母親がアメリカ出張？で不在のため、下宿の切り盛りは海のお仕事。
結構大変です。
健気な子です。

少年、俊はカルチエラタンという新聞を発行している新聞部所属。
カルチエラタンは文科系の部室が集まっている古い建物の名称でもある。
現在、学校側はその建物の改築を考えているが、
俊たちは伝統ある建物を壊すことに断固反対し、運動中。
所属の様々なクラブの部員たちはなぜか男子ばかり。
旧制高校みたいな感じ。

明治の古い建物で、洋風の洒落た建物で、ボロボロだけど素敵です。
ヒョンなことから新聞の手伝いを始めた海は
カルチエラタン全体を掃除して、きれいにしたらどうか、と提案。
女子生徒を集めて掃除を始める。

・・・・・以下略。

学校の感じとか、海と俊の気持ちとか、
旧制高校とか、昔の日比谷高校とか、既に失われたけれど、
どこか懐かしい学校風景や、昔の住宅地の感じがジブリらしい綺麗な絵で書かれていて、
音楽もあいまって、ノスタルジックで叙情的。
生徒たちのがんばりに、OBOGまで巻き込んでどんどん美しく生まれ変わるカルチエラタンは
見ていて楽しい。
青春、ですわね～。＾＾
そういう世界はとてもいいと思いました。

でも、でもでもでも！
ここから先はネタバレなので、知りたくない方は読まないでくださいませ。

原作が少女漫画だそうで、よくある実は異母兄弟、という話。
それに気づいた俊はどこかよそよそしい。
そんな俊に海は
「嫌いになったなら、はっきり言って。」
いつ、好きだって言われましたか？
交際の申し込みも告白もされてないのに、そんな言い方しますか？

実は異母兄弟だと告白する俊にむかって
「私たちこれからどうするの？」（どうなるの？だったかもしれない）
どうするもどうしないも、このまま友達しかないでしょう。（これは俊の回答でもあった）
大好きだった父親に他に子供がいたことがわかったら、
大ショックではないでしょうか？
父親に裏切られたようなショックとか、不信感とか、何にもなくて、
好きになった男の子が実は兄だったことに対する戸惑いだけ？
それもあってもいいけど、それだけ？

ようやくアメリカから帰ってきた母親に事情を尋ねる海。
父親が亡くなった親友の子供を引き取った、という事実を淡々と語る母。
「でも、もしお父さんの本当の子供だったら？」
という海の問いに対して、
「会いたいわ。」と一言。
本当の子供だったら、会いたい？
絶対親友の子供だって信じてるんでしょうけど、でも、ありえないとも、まさか、とも言わず、
会いたい、って。。
夫がよそで子供を作るって、綺麗事ではすまないと思うけど。
大事な台詞が抜けてるし。

結局兄弟ではなかったのですが、それにしては顔が似すぎてる。。
瓜二つなのはちょっと。。

いい場面で「あれ？」っていうのが多過ぎる。
ここらへんは吾郎氏が作ったに違いない、と思う私。。
だって、「ゲド戦記」のはぐらかされ方と同じだもの。

もうちょっとですごく良くなりそうなのに、残念でした。
全然期待しないで観ると、意外と面白かったりして？

コメント 2

リアリティと、作者側の考える展開で操作されることの間に、あれこれでてくるのがフィクションですからねえ。
それにしても、父親に比しての劣る能力を云々される息子というのは、結構辛いものもあるでしょうね。よくあるパターンの宿命と受け止めているものか。
by extraway (2011-07-16 10:36) 

フィクションはいいんですけど、キャラクター設定がめちゃくちゃだと困ります。＾＾；
能力の比較、は気の毒ではありますが、父親があの方でなければ、絶対映画監督にはならなかった（なれなかった、または、なろうとも思わなかった）方だと思うので、複雑なものがあります。
by ぶーけ (2011-08-01 13:50)