空海 美しき王妃の謎

「空海　美しき王妃の謎」、観てきました。
映画、当たり年の今年でしたが、これはちょっと外しました。＾＾；
☆☆☆

http://ku-kai-movie.jp/

予告編はよさげなんですけどね。

まず、空海、という題名がミスリードを誘う。
別にこれ、空海でなくてもいいんでは？
帝の厄払いに呼ばれてきた空海の目の前で、皇帝は黒い猫に襲われて絶命。
宮中の人々には猫の姿は見えず、皇帝の死は病として処理されようとする。

もう一人、白居易、長恨歌を描いた有名な詩人ですが、
この方が、宮中の書記係をしていて、空海と出会います。
２人は猫の謎、やがてかかわってくる楊貴妃の謎を解き明かすため、
あちこち調べて回ります。
黒猫が現れるたびに起る殺人事件。
黒猫はいったい何がしたいのか？

どちらも、今一魅力に欠けます。
空海、不思議な目と力はあるものの、陰陽師のような派手さには欠け、
かといって、謎解きのシャー六ホームズのようなキレはなく。
白居易、楊貴妃の伝説に惹かれ、大傑作を書こうとする人にしては、
やっぱり迫力不足。

楊貴妃の死の謎を白居易と、空海に絡めて描こう、という発想は悪くなかったと思う。
でも、なんだか、空回り。
現在と楊貴妃と玄宗皇帝の時代を行ったり来たり（見えてるだけか）する空海と白居易。
華やかな極楽の宴と美しい楊貴妃。
（彼女は色素を少し抜いて、骨格をひとまわり華奢にした仲間由紀恵にそっくりだと思いました。）
映像は美しいものもありましたが、なんだかなあ。。
大詩人李白の扱いも、私としては不満です。
阿倍仲麻呂もなんだか狂言回しみたいで気の毒。
長安の都はすべて再現だそうですが、だから、映画の質があがったわけでもなく、
なんだか、こちらも空回り。

出てくる女の方は、楊貴妃はじめ、皆さんお綺麗なのですが、
楊貴妃以外の人、意味あったの？
宮中警備隊長の妻とか、長安一の妓楼の踊り子とか、愛人とか、阿倍仲麻呂の妻（妾？）とか（松坂慶子がやってました。これも気の毒）。

史実では、安禄山の乱で命を絶たれた楊貴妃。
一旦死んだように見える薬を飲ませて、死亡したことにして、
後からこっそり助け出す。。
ロミオとジュリエットでも似たようなお薬を使っていましたが、
やっぱり失敗におわるのです。

棺桶に入れられた楊貴妃は管の中で目覚め、非常に苦しい思いをして絶命。
でも、お薬がきいてるのか、朽ち果てることなく、
助けにきた彼女を慕う二人の術者に安置されて、山奥の洞窟で、美しいまま。

一人は人々が本当に幸福になれる方法を探す、と旅に出（後で高名な僧侶となります）、
残った一人は死の間際、楊貴妃を残していけなくて、楊貴妃のペットの黒猫に憑依。
妄執は猫を怪猫に変えた。

原題は「 妖猫伝」
こっちのタイトルのほうがずっといい。


小さな黒猫

約5㎝

タグ：映画 白居易 空海　美しき王妃の謎 李白 楊貴妃 空海 陶芸 黒猫

ブラックパンサー（Black Panther）

映画「ブラックパンサー」、観てきました。
面白かったです♪
☆☆☆☆と半分

今年の一番は絶対「バーフバリ」、だと思っていましたが、並びました。
このレベルの映画を続けてみられるなんて、今年は映画当たり年かも。
すごく面白くて、スピード感もスリルもあって、絵的にもきれいで、
なおかつ社会性がある、という珍しい映画です。

ブラックパンサーは、クロヒョウをモチーフにした、スーパーマン真っ黒バージョン、
だと思っていましたが、なかなか奥が深く、
実は、ブラックパンサーはアフリカのワカンダ国、国王ティ・チャラ。
そして、ワカンダ国は一見よくあるアフリカの農業国なのですが、
実は超先進文明国なのです。

ロボットこそでてこないものの、
超巨大未来都市みたいのがジャングルに隠れていて、
ワープ走行のできる宇宙船みたいな飛行機とか、
立体ホログラムの電話とか、実際の映像を小型サイズに模型化してみえるカメラとか、
現代社会ではありえない超ハイテクが実用化済み。
スターウォーズも真っ青、って感じです。

でも一方で、アフリカ土着の文化も忠実に守り、
戴冠式は、伝統的な衣装に身をつつみ、王位後継者は戦士の挑戦を受け、勝ったものが王位につくという決まり事を順守している。
国王を守護する衛兵たちは、女性戦士で、赤の民族衣装。
国境警護の兵たちは男性で青の民族衣装。
王族の衣装もアフリカの伝統的な衣装の雰囲気で、素敵です。


超文明の基となったのは、「ヴィブラニウム」という特殊な鉱石。
その石が様々は発明の基礎であり、また、現在の国家を支えている。
ワカンダでしか取れない石で、外界には一切その存在を伏せている。

ところが、その「ヴィブラニウム」が盗まれた。
それは２０年前、当時の国王の弟が犯人でした。
彼はアメリカの黒人の現状に憤りを感じ、
実際には救える力があるのに動こうとしない祖国に不満を持っていました。
弟は捕まったものの、「ヴィブラニウム」は一部紛失。
その一味が、見つかったところから、ティ・チャラらは動き始めます。

以下ネタバレあり、ですので、知りたくない方は読まないでくださいね。





助けられる命を助けずに見捨てるか？
出来る援助をしないで見過ごしていいのか？
というのがテーマかと思います。

あらすじ　続き　ちょっと真ん中抜けてます。

見捨てられた前国王の弟の息子キルモンガーは、アメリカで苦労して成人し、
自分を捨てた王家、国家を憎み復習に燃える。
（キルモンガー役の役者さん、素敵です。＾＾）
彼は王座をめぐる決闘（王族なので資格はあるのだそう）で、ティ・チャラを倒し（彼は高い滝から落下）、
国王の座につき、国を支配するが、
まず始めたのは伝統的なハーブ（これも不思議な力を持つ）を燃やすこと。＞＜
次に、各国の反政府運動家（？）たちにヴィブラニウム製の超強力な兵器を供給しようと。

国境警備隊長は今までのティ・チャラの行動を生ぬるく感じていたため、
キルモンガーを支持。
一方、実は仮死状態で生きていた元国王ティ・チャラは、以前命を助けた元敵対部族のジャバリ族の長エルバクに保護されていた。
ハーブの力で復活し、兵器の輸送を止めようとするが、キルモンガーと国境警備隊は反発。
国王警護隊はティ・チャラを支持。大乱戦に。

あわや、というところで、天才科学者の妹、工作員？の恋人、瀕死のところハイテク治療を受けて命を取り留めたアメリカ人CIA、らの活躍で、武器の輸出は食い止められる。
ティ・チャラは、死闘の末、キルモンガーを倒す。

やっぱり戦いの場面は多いのですが、視覚的に国王警護隊の赤い衣装と、国境警備隊のブルーの衣装の対比が美しく、全体的にスタイリッシュな感じで、見やすかったです。
サイがでてきてびっくり。

国王ティ・チャラは非常にいい人なので、世界の現状について悩みます。
そして、出した結論は・・

ここまで書いたから書いちゃうけど、結局、国を超えて、できることをしていこう、という
非常に前向きで人道的な道を選択。
国際会議での決意表明で映画は終わります。

映画を観終わったときは、いいなあ、ワカンダ国、本当にワカンダ国があればいいのに、
なんて思ったのですが・・。

私、これを見た夜、あれこれ考えて眠れませんでした。
国際協力は、もちろんいいことだけど、どうするんだろう？
今まで誰も知らなかったヴィブラニウムの存在を明かしたら、
それを手に入れようとする悪い人たちが絶対あらわれるでしょ？
どうするんだろう？
今まで秘密に維持してきた超文明都市は公開するんだろうか？
視察団くらいは受け入れるのかな？
きっと興味を持った人が、無理やりはいろうとしたりするよね？
どうするんだろう？
あれだけの超文明、世界を塗り替えるほどの力がある、ってわかったら？
医療技術だって隔世の進歩。
テクノロジーも。
それから、それから、それから。。。

ワカンダ国の国際化（国際協力か）はとっても大変そう。
というか細心の注意を払わなければ、大変なことがおこりそう。
がんばれ、ブラックパンサー！

こんなこと書くと、すごい社会派で重い映画みたいでしょ？
ところが、映画そのものはしっかりエンターテイメント。
それがこの作品の一番すごいところかと。

全然関係ないピンクの象さん。

Kokiaという歌手のお好みだそうで、ファンのイグリンのリクエスト。

青いサイだったら、今日のお題にぴったりだったのに。

タグ：ブラックパンサー 映画 アフリカ 国際協力 ピンクの象

The greatest showman (グレーテスト・ショーマン）

「グレーテスト・ショーマン」観てきました。
☆☆☆☆

http://www.foxmovies-jp.com/greatest-showman/index.html#/boards/showman

バーナムという実在の最高のショーマンのお話です。
ですが、なんとなく出だしから、おとぎ話のようです。

あらすじ
靴も満足に買えないような貧しい仕立て屋の息子だったバーナムは
父の仕事で父と共に訪れたお屋敷で、同い年くらいの令嬢、チャリティーと出会う。
窮屈な暮らしにうんざりしていたチャリティーは、彼の誘いに乗ってお屋敷を出て冒険を。
その後、チャリティーは予定通り寄宿舎に、町に帰ったバーナムは父をなくし、
食べ物にも事欠く暮らしだったが、二人は文通を通じて愛を育む。
バーナムは国鉄で働けば、３食付寝床付き、の宣伝にのって・・・、それから１０数年？
バーナムはお屋敷にチャリティーを花嫁として迎えに行く。

・・・なんか、おとぎ話みたいでしょう？
この先ちょこっとネタバレあります。
知りたくない方は読まないでくださいませ。




続き

お金持ちになったのかな、と思ったら、そうでもなく、しがない勤め人。
妻は貧しくても幸せそうに、二人の娘をそだてている。
でもある日会社は倒産。再び夢を追い始める。

とにかく才能はある人みたいで、最初は蝋人形の館を開くが閑古鳥。
子供たちに生きてるものもおいた方がいい、といわれて、変わった人たちを集める。
大きい人小さい人、太った人、毛の多い人、特技のある人、etc.
彼らを生かしたショーは興行的に成功。
でも上流社会からはそっぽを向かれている。
そんな中、つまらないお芝居にうんざりしていた、上流向けの劇作家フィリップを仲間に。
フィリップは一目で空中ブランコ乗りのアンに恋をする。

ヴィクトリア女王に会ったり、一流オペラ歌手（きれいな方です）があっさりと興行に同意してくれたり、
一流になりあがろうとしたところで、一波乱。
でも、最後には楽しいサーカスでみんな生き生きとハッピーエンド。

音楽も楽しいし、ララ・ランドは私的には今一でしたが、こちらは良かったと思います。

楽しいしハッピーエンドですが、軽いわけではありません。
歌も一癖ある感じで、なかなかずっしりしています。
お金や名声よりも、人を喜ばせること、それぞれの居場所、家族愛。

最後、テントでのサーカスの舞台にライオンが登場。
ど、どこから？（今までいなかったのに）
主人公は象にのって、娘のバレエ公演の劇場に行く。
でも、劇場前で象から降りて、「ここで待っておいで」みたいに、置いて行ってしまうの。
象さん、待ってたの？大丈夫？
と、小さな（いや大きいか？）疑問を残して、私は映画館を後にしました。
やっぱりおとぎ話みたい。

イグリン連れて行ってくれてありがとう。（お約束　＾＾；）

河津で買ってきた桜の枝がきれいに咲いてくれて、幸せ。♪

タグ：河津 桜 THE GREATEST SHOWMAN グレーテスト・ショーマン 映画

バーフバリ 王の凱旋

「バーフバリ　王の凱旋」を観てきました。
http://baahubali-movie.com/
☆☆☆☆と半分
インド映画です。
ものすごく面白かったです。
スターウォーズよりも。＾＾

前後編の後編でしたが、しっかりあらすじを教えてくれるので、
前編をみてなくても大丈夫。

なんかもう、一大叙事詩、大スペクタクル、という感じで、
絢爛豪華な宮殿やら、壮大な戦闘シーンやら、クライマックスの連続。

歌やダンスもあって、甘いラブシーンはそのまま「宝塚グランドロマン」の舞台。
白鳥の船が雲の上を飛ぶシーン、大好きです。＾＾
戦闘シーンは「ロードオブザリング」。
そして、兄弟（叔父甥）の対決は「北斗の拳」。
バーフバリのタフさは「ダイハード」。
こうして並べると２番煎じみたいですが、そうではなく、
そのどれもがレベルが高く、うまく融合しています。
☆が5つじゃないのは戦闘シーンが多すぎたから。
とにかく面白かったです。
王女様は美しいし、バーフバリは勇敢だし、
インドの民族衣装はとっても豪華、視覚的にも花丸。
映像もちょっと独特で面白いです。
いわゆる伝統的な映画というより、アニメみたいな。
矢を一度に４本、６本射るのって、あり？
で、それが全部命中するの。（一か所じゃなく全部違う所）
荒唐無稽ですが、それが面白かったりします。

インド映画、知名度は低いですが、あなどれません。
是非是非ごらんくださいませ。＾＾




一応あらすじ
王位をめぐる兄弟の確執に、美しい王女との恋がからみます。
凶悪な本性の兄と、優れた王の資質を持つ弟（バーフバリ）。
兄は自分が王となるために、様々な画策を弄し、
王に即位するものの、民衆に絶大な人気を持つバーフバリを恐れ、
ついには母（国一番の権力者）を欺き、謀反の疑いで弟を殺させます。
事実を知った母は、
生まれたばかりのバーフバリの息子こそ次の王だと宣言し、
命がけでバーフバリの息子を逃がします。
赤子は川に流され、遠い村で自分の出自を知らずに成長するのですが、
たまたま反乱軍に加担することとなり、
父にそっくりな容貌からその出自が判明。
民衆を率いて、悪政を続ける王を倒す。

あらすじおわり



余談ですが、もし「北斗の拳」を実写映画化するなら、
絶対インド映画で、と思いました。
あのムキムキの体、そのままいけそう。
美女ユリアもそっくりさんがみつかりそう。
私は戦闘シーンが嫌いなので、映画になっても観ませんけど。＾＾；
でも、たぶん成功間違いなし。

タグ：バーフバリ インド映画 映画 王の凱旋

スターウォーズ 最後のジェダイ

スターウォーズ、最後のジェダイ、観てきました。
クリスマス前なので、１週間は経ってる？

☆☆☆☆

私はとても面白かったと思います。
フォースの真実、ジェダイの秘密、という重いテーマにしては
展開がスピーディーで、いくつもの出来事が重層的にかさなり、思いがけない事が起こって・・、
その流れに乗れるか乗れないかが評価の分かれ目だと思います。
イグリンはどうも乗れなかったみたいで、非常に不満げでした。
評価をみても、割と真っ二つ、ですね。
重厚さ、には欠けるかもしれません。
私は好きですけど。
ドキドキしながら観てました。

新しい動物さんたちもかわいいです。＾＾

最後、孤児の少年が何気にフォースを操って、
ジェダイにあこがれて空を見上げる姿、
きっとこの子は大きくなったら、第２のルークになるのでしょうね。＾＾

是非ご覧くださいね。＾＾

大掃除、例年のごとく、苦戦中。。
もはやあきらめモードです。＾＾；

皆さま、よいお年をお迎えくださいませ。

タグ：スターウォーズ 映画 最後のジェダイ